みかんの花咲く丘と、甘い記憶 〜子どもたちが教えてくれたこと〜
- 辻田いずみ 香りのピアノ教室
- 21 時間前
- 読了時間: 3分

今回は、少し時計の針を戻して、
十数年前の思い出をお話ししたいと思います。
当時、私は児童福祉施設の中にある学校で、
音楽の講師をしていました。
そこで出会ったのは、親からの虐待や無関心などを背景に抱え、
時には軽い犯罪に手を染めてしまった子どもたち。
普段は大人に対して斜に構えていたり、
悪ぶって見せたりと、
心に固い鎧を着ているような生徒たちでした。
そんな彼らに、ただ教科書通りに歌うだけの、
いわゆる「通常の音楽の授業」はしたくないと私は考えていました。
音楽を通して五感を開き、
総合的な学びの中で心に触れるような
時間であってほしい。
そんな思いから、日々さまざまなチャレンジを試みていたのです。
ある日の授業で取り上げたのは、
童謡「みかんの花咲く丘」でした。
この日はただ歌うだけでなく、
少し特別な趣向を凝らしました。
みかんの花と同じ、柑橘系の花の精油である
「ネロリ」の香りを教室に持ち込み、
さらに、みかんの花から採れた本物の「はちみつ」を用意して、
みんなで試食してみたのです。
耳からは懐かしいメロディ、
鼻からはネロリの優しく甘い香り、
そして口の中にはちみつの風味が広がる時間。
すると、普段はツンケンしている子どもたちの表情が、
みるみるうちに変わっていきました。
ふっと肩の力が抜け、
教室中に漂う甘い香りと味覚に顔をほころばせるその姿は、
年齢相応の、傷一つない純粋な子どもそのものでした。
音と香りが、彼らの心の奥底にある
柔らかな部分にそっと触れたのだと、
胸が熱くなったのを覚えています。
音楽と香りの力は本当にすごい。
私の目指すアプローチは間違っていなかった……!
そう確信し、大きなやりがいを感じて迎えた、翌週の音楽の授業。
教室に入るなり、
目をキラキラさせた子どもたちが
私に駆け寄ってきて、こう言いました。
「先生! 今日ははちみつはないの!?」
……どうやら、彼らの心を一番強く捉えていたのは、
音楽でも香りでもなく、
甘くて美味しい「はちみつ」だったようです(笑)。
「何のための音楽の授業よ!」と心の中でツッコミを入れつつ、
その食いしん坊で無邪気な笑顔に、
思わず私も吹き出してしまいました。
今振り返れば、この時の「五感で感じる体験」が、
現在の活動の根っこに繋がっているのかもしれません。
はちみつはお出しできませんが、
これからも音と香りで、
心をふっと軽くする時間をお届けしていきたいと思います。
それでは、明日からの日々が皆さまにとって
穏やかなものとなりますように。 どうぞ、よい夢を。
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エッセイでもお伝えしたように、
音と香りが重なり合った時の癒やしの力は、
私たちの想像以上に大きなものです。
実は、香りが脳の感情を司る部分に届き、
心身のスイッチを切り替えるまでにかかる時間は、
わずか「0.2秒」と言われています。
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